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啓蟄

本日は二十四節季の3番目、啓蟄(けいちつ)、

冬ごもりしていた虫たちが地中の中で目をさまし始める時期をあらわしています。

 

具体的には、日中の平均気温が10℃を超えると虫たちは冬眠から目をさまし始め、あわせてその虫を捕らえようとする動物たちも冬眠から目をさますようです。

 

九州地方では今月の下旬頃、関東では3月下旬、そして北海道では5月の上旬で、

まさに桜が舞う季節を後追いしているかのよう。

 

いくら二十四節季が光の季節といっても、日本は南北につらなり、

その地方間では気温の寒暖の差がとても激しく、

やはり南の地域である九州の方からあたたかくなり始めるのでしょうか。

 

北海道に春がくるのは啓蟄から数えて、2ヶ月もあとなのですから、まだまだといったところ。

春が待ち遠しいとはいえ、2018年もすでに2ヶ月をおえたところです。

1月は「 行く 」、2月は「 逃げる 」、そして3月は「 去る 」といわれるように、

今月もあっという間に去っていくのでしょうね。

 

ところで当店のブログが好評を頂いているようでして、何人ものお客様に言われます。

電装や用品取付の工業系のお店なのに、なぜか季節や自然に関わる記事が多いと。

 

そうですね、改めて見直してみるとなかなか季節や自然に関するテーマは多く記載してきたようです。

 

自動車整備工場等での仕事は、どちらかというと工場の中で自動車の修理業務に携わるものでしょうが、

今思うと、工場内にいて仕事をした覚えがあまりありません。

出張修理で一人でどこへでも走り回っていたのですから。

 

春夏秋冬、朝昼晩夜中、天気気候に関係なく、

それこそ真夏の炎天下のもと真っ黒になりながら

トラックの下にもぐり地面をはいつくばってオイルと泥でまた真っ黒になり、

雨が降る日はずぶぬれになりながらも応急処置で無理くりエンジンがかかるようにしなければならず、

吹雪の中でも、自動車が故障すれば出かけていき、

氷点下15度の夜中の2時頃に、配線がわからなくて、わからなくて、手がかじかみ、

半べそかきながら暗闇の中一人で作業したり、

 

そのような容赦のない自然を相手に仕事してきた経験が長かったからなのでしょうが、

いつしか心の中に自然観や季節感に敏感になり、そこから感性を磨かれたようにおもいます。

 

さて、ここらへんのお話は尽きなく、またの機会に譲るとしまして、

 

啓蟄は、心の中に秘めた、いままで暖めてきたことが目を覚ます時期でもあります。

振り返ってみれば当店でも、だいたいこの時期において、いままで感じ取ってきたことや、

見てきたもの、そして考えを煮詰めてきたものを具現化し始めてきたように思います。

 

特別、春をめがけて行動しているわけではないのですが、

この時期が常に、ひとつひとつの分岐点だったようにおもいます。

寒い気候が身を引き締めてくれて、感性を奮い立たせてくれたのでしょうか。

 

みなさんは暖めているもの、そろそろ具現化できそうでしょうか。

 

啓蟄、虫たちが目をさまし、行動に移り始める季節であるということ、

体感的にはピンとこないのですが、

 

でも、ちょっと納得できる気がします。