平成18年式、スズキジムニー(JB23W)のスモール不灯にて入庫しました。
フォグランプの周りに、イカリングが装着されています。
このイカリングがスモール時点灯するのですが、左側が点灯しないようです。
作動条件はスモール時にイカリング点灯、フォグスイッチONでフォグ点灯と同時にイカリングが消灯。
右側は正常に点灯するので、配線の分岐以降、左側の配線に不具合が考えられます。
バンパー下側から覗いてみると、6極のリレーが装着されていた。
配線を動かすと点灯する、どうやら接触不良なのだろうか。
このリレーも作動条件がよくわからない。
左右に1個ずつ装着されているのだが、もともとの純正フォグランプリレーがついているので、
ここでもリレーを通してフォグ、あるいはイカリングに通電しているのか、
現段階では制御の内容はわからない。
いずれにせよ、配線の接触不良の部分だけの部分修理で解決すると思われるが、
配線自体の劣化の進みがひどく、配線はただぶら下がっているだけであり、
部分修理しても不具合の再発や、これから雪が降る季節であり、バンパーの裏側に雪がたまり、
雪の重みで配線が切れてしまう恐れもあるため、お客様に現状の説明と根本的な修理を提案。
配線を作り直し、雪や氷が付着しないようまとめることで修理を始める。
他の要望として、スモール時にイカリング点灯、フォグONで同時点灯にしたいということで、
あわせて配線の改造も一緒に行なうことに。
右側の配線の様子。 かなり劣化しています。
こちらは、左側の配線の様子。
同じく配線の劣化と腐食がすすんでいました。
やはりこれは全部作り直さないといけない。
配線と一緒に設置されていた6極リレー。
こちらも水が入り込んでいる様子で、そんなに長くはもたない状態。
配線修理しながら、配線を解読していたところ、ようやくこのリレーの役割が判明する。
6ピンのうち、スモールONで、スモール信号がb接点を通してイカリング点灯。
フォグスイッチON時、フォグ信号がそのままリレーのコイル側に入力されON、
b接点が開くことでイカリング信号を遮断する仕組みだったよう。
結局この6極リレーは、イカリングの点灯を制御するために使用していたようで、
フォグの電源のためではないことが判明。
今回のオーダーでは、イカリングはフォグONにて同時点灯のため、このリレーはいらないことに。
バンパー脱着、バンパー裏側からのフォグ状態の様子。
一旦、フォグランプもまるごと取り外すことに。
スモール信号の取り出しを確認のため、エンジンルームを覗くとスモール配線にエレクトロタップが。
調べてみると、やはりスモール配線からの分岐だったため、現状ではなんともないようだが、
今後の接触不良の回避のため、配線に直付けにする。
あわせて車両側の配線も作り直していく。
ステーごと取り外したフォグランプの様子。
かなりサビついている。
ところがここで、新たに不具合を発見。
イカリングの配線がイカリング本体のなかで接触不良をおこしているようだ。
強く触れると点いたり消えたり。
同時にイカリングも修理しないといけない。
普段はあまりやらない修理ではあるが、同じ寸法のイカリングもなく、
作り直すことに。
右側がもともと装着されていたLED。
背中合わせに左右に向いて作られていた。
かなり初期の頃の製品と思われる。
左側がこれから作るLED。
同じように寸法を合わせていく。
完成の様子。
これが1個のイカリングに2本装着されるので、合計4本作成。
(1本に付き2個のLEDを使用)
イカリングのLEDを作り上げた後に、配線も新設。
途中に抵抗とダイオードを入れていく。
点灯試験の様子。
ここからつぎの作業工程として、フォグランプに固定、配線を作り上げていくことに。
取り外したステー。
表面にサビが付いているので、ワイヤーブラシでサビの除去、塗装を施していきます。
フォグランプにステーを組み付けた様子。
これからバンパーに設置していきます。
バンパー裏側にフォグランプを固定、あわせて配線もきっちりと固定します。
無事点灯。
表側では、イカリングが点灯しているだけですが、バンパーの裏側やフォグランプの裏側の配線はすべて
作り直したもので、雪や氷が付着しないよう、固定されています。
やはり配線修理は見えないところが重要です。
戦いの後に… 。
電装部品の修理や、配線の修理のときは、作業台の上がいつもこのようになってしまいます。
これをかたずけるほうが、よっぽど大変です。
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