トヨタハイエース(TRH219)にFFヒーター(エアヒーター)の取り付けにて入庫です。
ヒーターはベバスト社製のエアトップ2000ST、お客様の持込製品です。
取り付け実施の前に、先に構成部品の確認をしたところ、やはり部品が全部そろっていませんでしたので、
急遽、当店にて必要部品を手配することとなりました。
ところでこのFFヒーター、なぜエアヒーターという名称なのでしょうか。
通常、自動車でのヒーターといえば温水ヒーターのことを言います。
それはエンジンの冷却系統の温水を流用し、車両室内側へのヒーターにあてているからであり、
一般的には自動車のヒーター = 温水ヒーターという意味合いなのですね。
それにたいしてエンジンの温水系統に頼らず、すなわち自動車のエンジンが止まっていても単独にて作動させることが出来、直接外気の空気吸入、燃焼して、車両室内の空気を吸い込み、瞬間的に暖め、室内に吹き出すヒーターなのです。
ベバスト社のFFヒーターは製品性能の信頼性が非常に高く、アフターメンテナンスも充実しているので、
当店でもお勧めの製品でもあります。
取り付け車両はキャンピングカー。
キャンピングカーは夢を運んでくれる素敵な自動車ですね。
お持込頂いた、構成部品です。
左にヒーター本体、中央の2本の金属製のホース(銀色、黒色)は吸気と排気用。
その下のグレーのものが、排気用のマフラーです。
そして、燃料ポンプをはじめ、クランプ、燃料用ホース等の部品と続きます。
こちらがヒーター本体の様子。 外形寸法は、約320mm×110mm×125mm(横×高さ×幅、突起物含まず)
と非常にコンパクトです。 こんなに小型なのに熱量は相当のものです。
まず、燃料タンクから燃料ポンプの脱着から始めます。
ここらへんの作業は何度やっても緊張する作業です。
取り扱うのはガソリンですから、慎重に作業を進めます。
取り外した燃料ポンプassy。
このタイプは2本のスプリングシャフトで上下が可動しますので、ヒーター用のパイプも
可動寸法と形状にあわせて作成していきます。
燃料ポンプは燃料タンクと車両側ステップの裏側の隙間に装着。
ヒーター本体下部には吸気、排気と燃料ホースが接続されます。
車両側とヒーター側に隙間が空かないよう、耐熱コーキングにてがっちり固定していきます。
排気消音機(マフラー)は車両後方下部に設置。
排気は外側に出るよう、外側に向けます。
吸気は車両下部の側面、リアタイヤの裏側に水や風をよけるスペースがあったので、そこに装着。
燃料パイプは干渉部分に養生して取り回していきます。
ヒーター本体の設置は車両後部の収納ケースの一角を使用しました。
熱がこもるので、大きめの吸気ダクトを設置。
ここからは本職の配線作業です。 ヒーター電源系統の配線を作成していきます。
(ヒーター取り付け自体が本職ではありますが、やはり配線作業はなじみの作業です。)
この車両には、もともとサブバッテリーが装着されていたので、そこから電源を取り出していきます。
さすがキャンピングカーです。 車両側発電機(オルタネーター)からの電気を分配するアイソレーターや100Vインバーター等の電源系統は容量の大きいものが装着されています。
茶色部分の左側はヒーター用吸気ダクト。
リアゲートを閉めてもちょうどよい隙間ができ、そこから室内の空気を吸い込んでいきます。
ヒーター燃焼用排気口。 あまり突起しないように固定しています。
簡易スイッチボックスの作成、設置。
手前側のダイアルがヒータースイッチ。
真ん中のトグルスイッチは高低地用の切替スイッチに。
一番奥の黒いスイッチはヒーター用のメインスイッチ。
普段はONのままですが、シーズンオフの時にOFFできるように設置。
ヒーター温風吹き出し口の設置。360°回転するので、任意の方向へ温風を吹き出しさせることができます。
作動試験の際、改めて暖かいヒーターだと認識しました。
着火も早く、すばやく室温を上げるので、このヒーターは本当にお勧めの製品です。
お客様への引渡しの際、とても喜んでいただきました。
お休みの日は十勝地方へいかれるとのこと。
帯広、十勝は非常に寒いので、当店で装着したヒーターが活躍できることを望みます。
コメントをお書きください