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ランドクルーザープラド キーレス点検修理

平成7年式 トヨタランドクルーザープラド(KZJ78)の社外キーレスエントリーが、ロックされないとのことで入庫です。

 

 

さっそく点検の開始です。

キーと一緒にあるリモコンスイッチで作動試験を実施のところ、

アンロックはされるものの、ロックがされないことを確認しました。

 

ところで、この車両にはもともと純正のキーレスがついているのですが、

故障したために社外のキーレスを取り付けたとのこと。 

その後、ながく作動していたようですが、最近になってロックのみ動作しなくなってしまった

とのことでした。

 

車両側と後付キーレス側のどちらに不具合があるのかを切り分けるため、

純正側でのキーレスが作動するのかを点検します。

 

今回は純正リモコンがないため、運転席側ドアに設置の集中ドアスイッチより

ドアのロック、アンロックを作動させてみたところ、問題なく作動するため、

後付キーレスでのみの不具合であることも確認できました。

 

実際の不具合現象として、ロックのみされないとした場合、アンロックの作動はするのであれば、

キーレスユニット本体には電源がかかっており、とりあえず作動はしていると考えられます。

 

したがって点検ポイントは、キーレスユニット本体にロック側信号線が正常に

キーレスユニットに入出力されているのか配線の状態も含めてどうか。

 

リモコン本体のロック側スイッチの接点不良、スイッチの破損。

 

キーレスユニット本体の不具合と3点のポイントがあります。

 

それぞれを個別に点検していくことになるのですが、

リモコンでロックボタンを押すとき、ハザードが1回点滅しますので、キーレスユニット本体には

正常にロック信号は入力されていることがわかります。

リモコンボタンも正常であることが、このことからわかるため、

残るポイントは一つだけです。

それはユニット本体からのロック出力はしているので、ロック出力配線がどこかで断線し、ドアロックアクチュエータに届いていないことがわかります。

 

通常考えられる断線箇所はドアのヒンジ部分(ゴム製のじゃばら内)ですが、

配線修理の際、ドア内側から配線を取出す必要があるため、

運転席ドアもパネルを取り外していきます。

 

同時進行でドアヒンジ部分の配線を点検、ハーネステープをはがしていくと、

なにやら緑色の配線が切れていました。

おそらく、この配線がドアロック出力線だと思われます。

 

さらに、運転席側の足元まわりも取り外していきます。

 

切れている緑色配線の両先の行方を確認、キーレスユニットと

ドアアクチュエーターにいっていることを目視にて確認できました。

この配線の断線に間違いないようです。

 

ドアヒンジ部のゴム製ジャバラの中に配線を通すため、

配線を丸ごと切り離しドア側までもって行きます。

 

配線を引き出し、ジャバラ部分をほぐしていくと、配線の中間はハーネステープ

だけで養生しているようです。

そういえば、旧式の自動車ではそのようなタイプがあったことを思い出しました。

稼動部分なので、コルゲートチューブを巻くわけにもいかなそうですので、

断線箇所の配線を新しく作り直し、がっちりとハーネステープで養生するしかなさそうです。

 

断線した配線をハンダにて結線、伸縮チューブで養生していきます。

 

それぞれの結線箇所にハンダ付けしていき、配線を復元していきます。

作業完了後、作動試験を行ったところ無事、リモコンでロックがされました。

 

作業自体は難易度は低い方でしたが、なにせ作業場所が狭く

手が入らず少し苦戦してしまいました。

外気温も低く、ハーネスも硬いため、久々に手が汚れ、切り傷がたくさんついてしまいましたが

昔を思い出し、尊い手なのだと実感させてもらうことが出来ました。