平成19年式トヨタイプサム(ACM26)のエアコン点検にて入庫です。
エアコンスイッチをONにしても冷えず、エアコンガス補充しても効かない様子で、
当店に点検のご依頼を頂きました。
作動点検にて、たしかにエアコンは作動していません。
エアコンガスを確認、ガスは残っているようですが、
規定量なのかどうかわからず入れなおすことから始めます。
ガスが入っていなければコンプレッサが入りませんが、
少なくなっていても、もちろん作動しません。
ガスが入っていない、あるいはガスが少ない場合はガス漏れの可能性、
ガスが規定量入っていても作動しなければ、エアコンの電気系統の不具合と
コンプレッサや各エアコンパーツの不具合の可能性があり、
ガスの状況から、どちらの系統の不具合なのかを見極めなければなりません。
エアコンゲージをつないで見ますが、
外気温15℃くらいでこの数値なら、ガスが少ないものと思われます。
実際のところ、ゲージでガス圧を正確に測定するのは困難
(というより、他の手段のほうが早く、確実なため)なので、
コンプレッサが動いているか、低圧パイプが冷えているかの簡易点検でこと足ります。
オルタネーターの下側にコンプレッサがあります。
上側からのぞいてみても、マグネットクラッチが入っているのかこのタイプではわかりません。
現状、ガス漏れなのかどうかもわかりませんので、エアコンガスチャージの際、
ガス漏れ探査剤(蛍光剤)も一緒に注入していきます。
これは、ガス漏れがあった場合、漏れ箇所から一緒に出てくる蛍光剤に、
紫外線を照射すると、はっきりわかるものです。
ガスを規定量補充し、再度エアコンのスイッチをONにして見ます。
まもなくして、吹き出し口より冷たい風が出てきました。
エアコンは手動状態、温度調整レベルはMAXクール(18℃)、内気循環、
リアクーラーもONの状態。吹き出し口はベンチレーションにしています。
サイトグラスより、ガスの状態を目視点検します。
特に気泡もなく、規定量にてガスが循環しているものと思われます。
今回のケースでは、冷えないからガスを補充したが、それでも冷えないとの症状でしたが、
実際のところ、どこまでガスが規定量に達しているのか、
コンプレッサが作動していたのか、わかりません。
正規の状態にし、そこからエアコンが作動するかしないか、
ガス漏れならすぐにもれるのか、少量の漏れなのか、
そこから判断して、点検をしていきます。
半日~1日程度、エアコンを運転し続け、異常がないことを確認。
一旦、お客様に戻すこととしました。
今後、エアコンが効かなくなり、ガスが少なくなっているのならガス漏れではありますが、
その期間を見てみて、改めて考えてみることにします。
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