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イスト 発光エンブレム取付

平成17年式、トヨタイスト(NCP65)に、リア発光エンブレムの取り付けにて入庫です。

トヨタマークのエンブレムが、条件に合わせて発光するものです。

 

 

平成17年式車両といえば、もう10年以上も経過していますが、

この自動車は古さを感じさせません。

外装もとてもピカピカで、赤いホイールがとても際立っていて、

なかなかイカした自動車です。

 

 

今回装着する製品は、お客様にてお持込頂いたもので、

輸入製品のようです。

 

製品の仕様は、テール(スモール)時に常時、青色発光し、

ブレーキ作動時に連動して、赤色になるものです。

 

 

車両に装着する前に、製品の単体試験を実施します。

直接、電源をいれて正常に作動するのか、

取り扱い説明書の指示通りの配線かどうかの確認作業になります。

 

必ずしも、海外製品が劣っているということはありませんが、

国産製品にくらべると、まだ製品の品質にばらつきがあるのは否定できません。

よって、この手の製品は必ず、装着前に作動確認が必須となります。

(写真はテール信号入力時に、青色発光している様子)

 

 

そして、こちらが赤色に発光している様子です。

とりあえずは、製品の確認ができましたので、

このまま作業を進めることにします。

 

 

製品に付属されていた、取り扱い説明書です。

この文脈、なにか愛嬌を感じます。

 

 

さっそく取付の開始です。

この日はやや雨が降っており、車両がぬれていますので、

水気をふき取ることから始めます。

 

 

純正のエンブレムを取り外していかなければなりません。

両側から専用の糸で、エンブレムの隙間に入れていくのですが、

均等に力をいれていかなければ、やはり糸は切れてしまいます。

 

エンブレムにも、変に力を加えると、割れてしまうので、

簡単そうで、なかなかコツがいる作業なので、

慎重に作業を進めます。

 

 

 

 

エンブレム取り外しに使用した工具。

中央がエンブレムはがし、

右側が樹脂製のスクレーパー、

左側はホットガン、要所に少しずつ、暖めていくのに使用するものです。

かなりの熱量があるので、取り扱いには注意が必要です。

 

 

エンブレムを取り外した後の様子。

テープの残りが残ってしまいます。

 

これを、すべてきれいにとまでは行きませんが、

発光エンブレムを装着するのに、支障がないレベルまで残り跡を除去しなくてはなりません。

根気のいる作業です。

 

 

残り跡はどうしても、残ってしまいますが、ここら辺が限界のようです。

テープ等の残骸はなく、設置面を確保できましたので、

これで発光エンブレムを貼り付けることにします。

 

 

エンブレム後ろ側には配線が3本出ていますので、

車両に穴をあける必要がありますが、

そのあな位置を正確に取り出す必要がありますので、

一旦、型紙にて確認していきます。

 

 

実際、車両にあてがって穴位置を決めてから、穴あけ作業を始めます。

 

 

車両リアゲートの裏側の様子。

画面中央のハーネスがひかさっているメンバーが、

邪魔するので、取り外していきます。

 

無事、穴あけができました。

ここに、3本の配線を通していきます。

 

 

リアゲートを中間にあけて作業をするので、

げーとを固定して作業を行います。

 

 

よく自動車板金屋さんが使っているのを見て、

これは便利だと、用意した道具です。

 

それぞれ、ゲートのロック部と、車両側のノッチの部分に引っ掛けて使用するものです。

ゲートの開きも調整できます。

 

 

ここから配線作業に入ります。

まずは、リアゲート裏に配線をはわせていきます。

 

 

同時進行にて、テールランプ裏側より、信号線を取り出ししていきます。

取り出す信号はテールとストップです。

 

 

リアゲートヒンジ部分のゴムジャバラの中に、配線を入れていきます。

 

 

リアゲート配線作業の様子。

一通りの配線ひきができました。

 

 

テールランプ裏側は、車両内からアクセスできます。

ここから、各信号線を取り出ししていきます。

 

 

信号取り出しの様子。

画像は、各配線の信号を、点検テスターにて確認しています。

 

電気が通電されれば点灯し、通電されなければ点灯しないという、

きわめてアナログな機能ですが、このテスターは万能です。

使用頻度は、今も昔も変わりません。

 

ところで、このテスターは電流式で、中にバルブ(24V)が入っています。

流れる電流によって、バルブの明るさが変わるので、

それによってどのくらいの電流が流れているのかが分かるものです。

また、バルブを通してアースに落としてくれるので、

作動点検時に、電装品にあてるだけで、故障内容にもよりますが、

作動させることで、不具合を確認することも出来るのです。

 

そして最近の主流は電圧式のテスターで、中には発光ダイオード(LED)が入っています。

これは電圧によって発光、LEDの許容範囲内の電圧ならば点灯するもので、

12V以下、例えば5~6Vくらいだった場合でも、点灯します。

そうすると、12Vがほしいのに、それ以外のところでも通電することで勘違いしてしまい、

結果、信号線(1.2~3V、または5V)を電源線としてしまう可能性があります。

アースにも落としてくれませんので、電装品の作動点検には、やや弱いところがあります。

 

つまり、電圧だけをみてしまうと、見かけの電圧にだまされてしまう危険性があるので、

電流式を使う必要があるわけです。

電装整備や電装品の取付作業では、ここら辺の電気の知識が必要になってくるため、

少しわかりにくく、電気だけはやらないといった話をよく効きます。

電気の知識といっても、知っておくべき基礎知識は電流と電圧の違いや

直列接続、並列接続の仕組み、プラスの電気とマイナスの電気の違いくらいを抑えておけば

何かあっても、応用ができるはずです。

 

このテスターはとてもシンプルですが、とても奥が深く、使い道はさまざまなのです。

 

 

話がそれてしまいました、すいません。

作業に戻って、 

 

再び、配線作業の様子。

配線の接続に必要なものを、そろえて作業に望みます。

配線、伸縮チューブ、ハンダにハンダこてといったところでしょうか。

 

 

製品から出ている配線と新設した配線の接続には、ハンダを使用します。

その後、伸縮チューブで養生します。

 

 

テールランプ裏側カプラーから、信号線を取り出しします。

こちらも接続には、ハンダを使用。

伸縮チューブは使えませんので、テープで養生します。

 

ここで、すべての配線が接続できましたので、作動試験を実施します。

無事、点灯の確認がとれましたので、安心して作業を続行します。

点灯の状態は、後ほどでてきますので、お楽しみで

 

 

リアゲート内の配線をまとめた様子。

配線の固定は、車両の振動があるので、余裕をもたせてとめていきます。

 

 

テールランプ裏側の様子。

こちらも、きれいにまとめていきます。

 

 

作業が完了、最終試験の様子。

テール時に青色点灯。

 

 

ブレーキ作動時に、赤色点灯しています。

 

 

取り外した純正エンブレムをまとめてお客様へ戻します。

あわせて自動車の洗車と美装を終わらせて、作業の完了です。